成り立ちから、死別、QPLに至るまでの事項を列挙した評伝。基本的に主観は少なめで時系列を軸とした事項が淡々と綴られている。公認書籍であるが故にバンドサイド寄りの目線が多く、視点はどうしても偏るが、公式の認識がわかる良著。ただ間違いがゼロなわけではないわけではない。だが、そんなことは大した問題ではないと思えるほど、貴重な理解が得られる『聖書』である。

今回の改訂新版では結成にいたるまでの事項の整理や、肉付け、トリビュートコンサート以降の加筆はあったが、全体を通して新しい記述は少なく、間違いの修正があるわけもでない。

今回の邦訳は、原著校了前の日本先取り出版のため、原著新版と内容が異なる場合があると、冒頭但し書きがある。最速で読めたことはありがたい限りだが、いつ書いたかわからないような、幕切れには若干モヤっとさせられる。